いろはに

グレーターB皮ドラゴン

「お金がないよ」

　夢見はからっぽのお財布をひっくり返しました。そして地団駄を踏みます。

「ケーキにチョコに、ハンバーガー！」

「リングにピアスに、お洋服！！」

「ほしいよ、ほしいよぉ～～」

　夢見ははたと我に返り、電卓をたたきました。楽に稼ぐには、

「AFを狙う。これは暇な日に一回やろう」

「コツコツ稼ぐ。となると、お金を拾いつつ皮をはぐ」

　つづくかどうかわかんないけど、と、夢見は立ち上がりました。

「皮でもはぎに行こうかな」

「ダスタ、久しぶりだなぁ」

　ドラゴン特攻を手に、夢見は愛ラマに乗り駆けます。

「ドラゴン発見！」

　名誉を取り、不調和を入れ、EX->EB->FB->LTコンボを叩き込みます。またたく間にドラゴンとドレイク、ワイバーンの屍の山が気づきあげられました。

　やがて、

「グレータードラゴン！！」

　行くよっ、と夢見は手綱を握りしめました。

作戦はいつも通りです。

戦闘開始前

・名誉を取る（徳をためるため）

・inv不調和を入れる

・念のためブレスをかける

戦闘開始後

・EVを常時2体出す

・できるだけ指定PMを常時入れる

・マナに余裕があればEBを叩き込む

　さて、どうなることでしょうか？

「不調和入ったよ！」

「EVも出したよ」

「指定PM失敗！！」

　ここで失敗に気が付きました。

「特攻楽器忘れたぁぁああっっ」

　まあいいや、と夢見は戦闘を続けます。

　EBを叩き込むたびに、GドラのHPがガツッと減ります。そして、

「やったあ、Gドラ成敗完了！！」

　夢見は嬉々として皮をはぎました。

「ダスタは地味に儲かるね」

　電卓をたたきながら夢見はぼやきます。

「もっと儲かるところないかなぁ」

　ふと窓の外を見上げると、大きなおぼろ月が見えました。

　なにかいい句でも詠めないかなと、夢見は月に見とれました。

* おしまい *